戦後フランスで最も影響力を持った音楽家、ピエール・ブーレーズについては作曲家として、また指揮者として近年国際的に研究が盛んでその解明が進んでいます。今回はそうした最新の研究を盛り込みながら、彼がどのような音楽語法の変遷をたどり、音楽家として何を目指したのかを、今年生誕100年のアニヴァーサリーイヤーを機に、明らかにすることを目指します。演奏の機会が少ない作品や撤回した作品なども、一部講演内で聴いていただく予定です。
※本講演では、講師による演奏はございません。
講師プロフィール
野平一郎
1953年生まれ。東京藝術大学、同大学院修士課程を終了後、フランス政府給費留学生としてパリ国立高等音楽院に学ぶ。ピアニストとしては内外のオーケストラにソリストとして出演する一方、多くの内外の名手たちと共演し、室内楽奏者としても活躍。古典から現代までそのレパートリーは幅広い。150曲以上に及ぶ作品の中にはフランス文化省、アンサンブル・アンテルコンタンポラン、IRCAM、国立劇場、サントリー芸術財団その他からの委嘱作品がある。2回の尾高賞、第35回サントリー音楽賞、第55回芸術選奨文部科学大臣賞、日本芸術院賞ほかを受賞。2012年春に紫綬褒章を受章。現在東京音楽大学学長、日本芸術院会員、東京文化会館音楽監督、東京藝術大学名誉教授、2021年よりモナコ・ピエール皇太子財団の音楽評議員を務める。

