日仏文化講演シリーズ第395回
「ヨーロッパでブーム」「パリで浸透」等々、近年、印象的な見出しとともにメディアでとりあげられることの多いおにぎり(おむすび)。とりわけ2024年のオリンピック開催期間、パリを訪れた人びとの臨場感あふれるSNSの発信から日本のおにぎりの人気を知った方も少なくないことでしょう。
はたしておにぎりは、寿司、ラーメン、天ぷら、焼き鳥などにつづく世界の「日本食の顔」となり得るのでしょうか? 18世紀フランスの食文化研究の道からフードビジネスの世界に入り、長年パリの日本食の動向を観察しつづけてきた佐藤大輔さんの答えは« OUI »です。おにぎりというローカル食が宿す「今日性」は、世界の普遍になり得ると確信しています。
フランス人の味覚の変化、パリのお昼ご飯事情、おにぎりに対するイメージのありがたい(!?)誤解、日本人がさまざまな国や地域にルーツを持つスタッフたちを管理する苦労や工夫、世界情勢がおにぎり作りに及ぼす影響……。飲食コンサルタントであり、パリを代表するおにぎり専門店の経営者であり、その現場を切り盛りするスタッフの一員でもある佐藤さんが、おにぎりの市場戦略の昨日・今日・明日をざっくばらんに語ります。
講師プロフィール
佐藤大輔
欧州飲食コンサルティング会社、ALFELIS代表。おむすび権米衛のフランス法人Gonbei Europe代表。南部鉄器、岩鋳のフランス法人Iwachu Europe代表。慶應義塾大学大学院仏文学専攻修士課程修了。リヨン第二大学大学院博士予備課程(DEA)修了。同博士課程中退。18世紀フランスの食文化を研究。これまで、日本航空パリ発機内食開発のほか、フランス食文化とブランディングをテーマに講演多数。